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コロナ救済措置として様々な免税・減税が確定
全額免除の場合もある建物や設備に対する税金
新型コロナウイルスの蔓延が経済に大きな打撃を与えています。連日、関連施策が公表されては議論を呼んでいますが、4月に成立した「新型コロナ税特法」についてご存知でしょうか。平たく言うと、中小企業や個人事業主をはじめとした資金繰りに困っている納税者たちに対し、一部税金の免除、減額、猶予を与える法案です。これら軽減措置の数々は、申請すれば確実にお得。そこでかみ砕いてご紹介します。
まずは「固定資産税・都市計画税の軽減」から。中小企業・小規模事業者が保有する工場などの事業用家屋と設備等の償却資産に課せられる固定資産税や都市計画税が、売上げの減少幅に応じて減税もしくは免税となる制度です。条件は3つ。大企業の子会社ではなく、従業員数が1,000人以下で、性風俗関連特殊営業をおこなっていない個人・法人の中小事業者であること。対象の建物や設備の居住用・事業用の割合を確認できること。そして、2020年2月から10月のどこか連続する3ヶ月間の事業収入の合計が前年同期間と比べて減少していることです。30%から50%減の場合は1/2の減税、50%以上減の場合は全額免除に。
また、事業用の建物や、構築物を新しくした&新しくする方は「固定資産税の特例の拡充・延長」にご注目を。今まで減税・免税の対象外でしたが、投資後3年間は固定資産税が1/2以下に減免されることになりました。事業用の建物は合計300万円以上で購入した最先端の設備付の物、構築物は旧モデルと比較して生産性が年平均1%以上向上する物、が条件です。設備関連だと、非対面・非接触ビジネスを促進する措置「テレワーク等のための中小企業の設備投資税制」も決まりました。遠隔操作、可視化、自動制御化ができる設備投資に対し、100%経費として計上できる即時償却、もしくは7%から10%の税額控除となります。
私用の住宅ローンや車イベントチケットも対象に
資本1億円以下の中小企業に限り、前年度に納付した法人税の一部還付金が受けられる制度「欠損金の繰戻還付」の対象が、資本金10億円以下の中堅企業約1万5千社へと拡大しました。また投資額が売上げを上回る場合を見込み、消費税の還付金を受けられる課税事業者を選択していた方にも朗報。通常この時期は変更不可能ですが「消費税の課税事業者選択届出書等の提出に係る特例」により、2020年2月から翌年1月末までのどこか1ヶ月以上の収入が前年同期比50%以上減だった場合は、その選択をやめられます。
さてここからは、プライベート関連の制度をご紹介。まず、住宅ローン減税についての救済。消費税増税に伴う住宅ローン減税の控除期間13年間の特例措置について、コロナの影響により建築工事が遅れて入居期限の2020年12月31日までに入居できなかった場合でも一定の期日までに請負契約をし、2021年12月31日までに入居すれば特例の対象とすることとされました。自動車取得時に燃費などに応じて課される環境性能割は、消費税率引き上げに伴う臨時的特例措置として、2019年10月から翌年9月末までに購入した自家用自動車・軽自動車につき、税率1%分軽減となっていました。しかし、現在自動車産業が落ち込んでいることから、6ヶ月間軽減期間が延長に。イベンターを支援する「文化芸術・スポーツイベントを中止等した主催者に対する払戻請求権を放棄した観客等への寄付金控除の適用」も決定。購入していたイベントチケットの払戻しを受けなければ、その金額分が寄附と見なされ、税優遇を受けられます。そして最後に、すべての方が知るべきなのが「納税の猶予」です。2020年2月以降、前年同比20%以上の収入減があり納税が困難な場合には、無担保かつ延滞税なしで、1年間納税の猶予を受けられます。法人税・消費税・固定資産税など、基本的にすべての税が対象となるので、現在コロナ禍の影響を受けてしまっている方は、今からその制度の利用を念頭に置いておくのが良いかと思います。